ブラジル住みの日々あれこれ

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投資家か浪費家か…ブラジル人の金銭感覚【なんでも分割払い】

ブラジル人のお金の使い方で、おそらくもっとも日本人が理解できないこと。

それは「なんでも分割払い」にするということ。

 

家とか車とか大きな買い物だけじゃなくて、カーテン500レアル(=15,000円くらい)を10回払いとか、なんなら靴40レアル(=1200円くらい)も5回払いとかにする。

 

今回はブラジル人の金銭感覚について語ってみる。

物価が高いブラジル

食べ物以外、シャンプーとか洗剤とか生活用品は日本と値段が変わらないブラジル。

携帯とかテレビとか生活必需品でないものなんて、日本より高い。

食べ物だってブラジル人の収入を考えると、決して安くはない。

※ただしブラジルは「超」格差社会なので、週40時間フルで働いて最低賃金(=月収約1200レアル・約35,000円)しか稼げない人が大量にいるかと思えば、日本円で月200万円こえる収入がある人もゴロゴロいる。

 

分割払いにするのは、月々の支払を楽にしたいというのが理由の1つ目といえる。

 

インフレ社会

もう1つの理由が、ブラジルはインフレであるということ。

今月のインフレ率は前月比11.2%だと今ニュースで言っていた。

現在100レアルで買えてるものが2年後には200レアルださないと買えなくなってたりする。

つまり通貨の価値がどんどん下がるということなのだ。

1200レアルを分割12回払いにしたとして1回の支払いは100レアルになるけれど、初回の100レアルと最後の100レアルではまったくその価値が違うということになる。

つまり最後の100レアルは同じ100レアルでも「安く」なるのだ。

 

ちなみに分割手数料~というつっこみが入りそうだけれど、ブラジルでは分割を前提にした分割手数料込みの料金が提示されていることがほとんど。

一括で払うとその分割手数料を指しい引いた額、つまり表示されている額より安く買えることが多々ある。

ハイパーインフレがもたらしたもの

上記のインフレに関しては、デフレ、あるいは給料が20年上昇しない異常事態な日本に住んでいるとなかなかわからない感覚だと思う。

貨幣の価値は今と未来では、同じ100円でも違うこと。

これをブラジル人に意識づけたのが、1980年代後半から1990年代前半に起こったハイパーインフレだと思う。

年間2500%をこえるハイパーインフレ

牛乳を買うのに札束を持って行った時代。

通貨単位が切り替わり、ブラジル人の夫や義母に言わせると混とんとしていたそうだ。

このときに「分割で買う」ブラジル人の習慣は決定づけられた。

お金を育てる感覚

この貨幣の価値は現在と未来で違うという感覚は、ブラジル人に「お金を育てる」という感覚も植付けた。

うちの夫家系はブラジルで結構上位層に位置する家系で、収入源となっているのは不動産投資や家賃収入。

今も余ったお金は貯蓄ではなく、土地を買ったりと投資にまわしている。

普通の世帯年収1000万円の安定したサラリーマン家庭で育った私には、最初はよくわからない感覚だった。

お金でお金を作る。お金を育てる

ブラジル人の投資家な一面。

浪費家でもある・・・経済の勉強が必須になったブラジル

っていう感じで、まるでブラジル人全員が経済の知識があり投資やるような意識高い系みたいな書き方したけれど、実はそんな人ブラジル全体の10%程度じゃないだろうか

 

大半は日本でいう所の「その日ぐらし」が精いっぱい

日本でいう所のって書いたのは、ブラジルではそれが普通で特に厳しい暮らしだと思われていない。

いろいろ事情もあって見栄っ張りな人が多いから、支払える額以上に分割払いで買っちゃうこともしょっちゅうある。

100レアルの収入がみこまれたら、それがずっと続くことを前提に1000レアルのものを分割で買うのがブラジル人だ

必需品じゃなくてもね。

 

だから一昨年あたりからブラジルの学校では「経済」の勉強が必須になった。

子供もお金とは何かという話から入り、高校では簡単な投資関係の話もする。

 

これで少しは…ブラジル人の浪費癖がなおるのかしら?

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