海外で生活したいけど、お金もスキルないし無理かな…。
そんな話もいまは昔。
パソコンさえあればどこでも仕事ができるようになった昨今、デジタルノマドとして世界中を働きながら旅する人が増えています。
ブラジルも2022年1月から「VITEM XIV」という、いわゆるデジタルノマドビザを発給するようになりました。
デジタルノマドワーカーを受け入れるNomad Village Brazilもできました。
そこで今回はブラジル在住歴12年、かつオンラインで日本・アメリカ企業と働きながら生活している私が、ブラジルノマドビザについて現地目線で解説します。
ブラジル生活の本当のところが知りたい人、ブラジルでノマドライフを送りたい人、必見です。
- ブラジルデジタルノマドビザ「VITEM XIV」を知ろう
- 【ブラジルノマドライフ】メリット・デメリット
- ブラジルノマドライフはどんな人におすすめ?ブラジル生活者の本音!
- 【ブラジルデジタルノマドライフ】実際いくら必要?
- 【まとめ】ブラジルノマドライフ
ブラジルデジタルノマドビザ「VITEM XIV」を知ろう
ブラジルノマドビザ「VITEM XIV」発給に必要なものは以下の通りです。
- 電子ビザ申請書
- パスポート原本
- 写真1枚
- ブラジルで有効な健康保険のコピー
- 過去3ヶ月以内に発行された無犯罪証明書
- 戸籍謄本或いは戸籍抄本のコピー
- 領事手数料 18,000円
- 遠隔地から職業活動を行うことができることを証明する申請者による宣言書
- 国外での雇用契約書、役務提供契約書など、国外の雇用主との関係を証明する書類
- 1,500米ドル以上の外国送金による月額収入、または18,000米ドルの銀行預金残高を証明するもの
揃えるのが難しい書類はあまりありませんが、上記赤字部分は疑問に感じる人もいるでしょう。
以下でご説明します。
ブラジルで有効な健康保険のコピー
ブラジルにはSUSと呼ばれる保険システムがあり、SUSカードを作ると基本的に無料で公立の病院が利用可能です。
しかしSUSカードを作るには「ブラジル居住者」である必要があり、ブラジルノマドビザ「VITEM XIV」は居住者とはみなされません。
海外のブログなどを読むとブラジルノマドビザでSUSのカードが入手できたという人もいるようですが、基本的にノマドビザでSUSは利用できないと思っておいた方が良いでしょう。
というわけで、ブラジルで有効な保険は必須です。
1年間で保険料約20万円前後かかりますが、ビザ発給の要件にもなっていますしちゃんと用意しておきましょう。
あと…地域差は大きいですが、SUSで利用できる公立病院は待ち時間が異常にながかったり、設備が悪かったりすることが多いです。
例えばサンパウロの場合、骨折の治療をするのに6か月待たされた…ということも決して大げさではありません。
南部サンタカタリーナ州や中西部のマットグロッソドソル州などは公立病院がまともでそれなりのサービスが受けられますが、おそらく日本人がノマドで滞在することの多いリオデジャネイロやサンパウロ、バイーアといったところは、SUSに期待しない方が良いでしょう。
収入証明
1,500米ドル以上の外国送金による月額収入、または18,000米ドルの銀行預金残高を証明するものが必要です。
どちらもそこまで厳しい要件ではないと思いますが、仮にこれが厳しいと感じるのであればブラジルノマドライフはおすすめできません。
詳しくは後述しますが、ブラジルの生活費は決して安くないからです。
最低20万円程度は安定して稼げるようになってから、ブラジルノマドライフをスタートしましょう。
【ブラジルノマドライフ】メリット・デメリット
ブラジルノマドライフは、良いところもあれば悪いところもあります。
ブラジルでノマドするメリット・デメリットを見ていきましょう。
ブラジルデジタルノマド・メリット
- ビザ応募要件がゆるい
- 安くすませようと思えばかなり安く生活できる
- 素晴らしい食事・ビーチ・ナイトライフ!
ビザ応募要件がゆるい
1,500米ドル以上あるいは18,000米ドルの銀行預金残高というのは、デジタルノマドビザ、あるいはそれに準ずるビザ発給要件としてはかなりゆるいです。
例えばヨーロッパのマルタ共和国なら36,000米ドルの銀行預金の証明が求められますし、エストニアは48,600米ドルの銀行預金の証明が必要となります。
その他の書類も、決して入手が難しいものではないです。
デジタルノマドビザとしては発給要件がかなりゆるく、気軽にノマドライフにトライできるでしょう。
安くすませようと思えばかなり安く生活できる
ブラジルで快適に暮らしたいのであれば、日本と同程度の収入が必要だと考えてください。
しかしブラジルという国の特徴として、安くすませようと思えばかなり安く生活できるというのも事実です。
例えば食事。
世界的なインフレに漏れずブラジルの物価もかなり上がっていますが、それでも日本に比べれば肉も野菜も安いです。
自炊すればかなり安く済ますことができます。
またシャンプーなどの日常品。
激安のローカルメーカーのものを使えば、こちらも相当安くできます。
※ただし日本でも売られているようなメーカー、例えばパンテーンなどのシャンプーや日本レベルの柔らかいトイレットペーパーなどを使おうと思うと、日本の倍以上の値段がする点は注意が必要です。
ブラジルノマドライフに何を求めるかによりますが、安くすませようばかなり安く済ませられるのはブラジルノマドライフの魅力でしょう。
素晴らしい食事!ビーチ!ナイトライフ!
ブラジルの食事は美味しいです。
ちょっと全体的に濃いめの味付けではありますが、日本人の口に合います。
素晴らしいビーチも多く、ビーチ好きにはたまらないでしょう。
サンパウロやリオデジャネイロならナイトライフも世界最高レベルです!
さまざまな種類のナイトクラブがあり、生バンドの演奏レベルも高く、好みのクラブが見つかるでしょう。
楽しみ方を知っているブラジル人たちとのナイトライフは◎です。
ブラジルデジタルノマド・デメリット
- 治安は…良いとは言えない
- 家族・パートナーの同伴不可
- 率直に言って…高い!
治安は…良いとは言えない
言わずもがな、ブラジルはお世辞にも治安が良いとは言えません。
海外で一般的に気を付けること※に気を付けていれば普通に生活できますが、それでも危険な目に合う確率は日本よりはるかに高いと思っていた方が良いです。
※海外で一般的に気を付けること
夜でかけるときは、安全な交通手段を確保しておく…
むこうから声をかけてきたら怪しいと思う…(ブラジル人は基本フレンドリーですが、いきなり向こうから声をかけてきて急激に親しくなろうとするやつは怪しいです!)
etc...
地方に行けば本当にのどかで治安の良いところはありますが、おそらくほとんどの日本人がノマドライフを送ることになるサンパウロやリオデジャネイロ、サルヴァドールの都市部は治安が悪く、気を付けていても危ない目に合うことはあります。
特にファベラと呼ばれるスラム街、およびスラム街周辺をうろつくのはご法度です。
家族・パートナーの同伴不可
ブラジルノマドビザ「VITEM XIV」は、本人のみに有効です。
本人がノマドビザをとれば、家族やパートナーも一緒についてこれる国は多々ありますが、残念ながらブラジルは家族同伴不可です。
家族がついてきたい場合は、別途ビザをどうするか考える必要があります。
まあ…後ほど、ブラジル生活の本音で理由は書きますが、正直本気でブラジルに骨を埋める気でなければ、ブラジルでの子育てはおすすめしません。
シングル、あるいは若いカップルにブラジルノマドライフはおすすめです。
率直に言って…高い!
ブラジルは物価が安いと思っていませんか?
これは100000000%間違いです。
ブラジルが日本よりやすいものは
- 食料品
- 美容室やお手伝いさんなど人が主体となるサービス
くらいです。
先ほどローカルブランドのよくわからないものを使えばかなり安く済ませると書きましたが、大多数の日本人が最低必要と感じているレベル以上のものを買おうと思うと、日本以上に高いです。
例えばトイレットペーパー。
日本のような柔らかいものだと「Neve」というブランドがあるのですが、これ24個入りで60レアル(1900円)くらいします。
シャンプーなども同じ感じです。
必需品でないものはさらにひどく、iPhoneやPlaystation5は世界で一番価格が高いと言われています。
正しく言えば、価格が高いというより「税金」が高いのですが。
iPhoneなど高級品は60%ほど税金がかかります。
でも、そこはブラジル。
貧富の差がものすごいこの国は、日本ではなかなかお目にかからないようなりっちな人もそこらへんに結構いるのです。
高くても買えちゃうんですよね。
ブラジルノマドライフはどんな人におすすめ?ブラジル生活者の本音!
ブラジルノマドライフがオススメな人。
それはずばり
ブラジルが好きな人!
に限ります。
ブラジルの音楽が好き、ブラジル文化に興味がある、ブラジル人のゆるーい感じが好き!
そんな人は1年程度滞在するなら、とっても楽しめるでしょう。
逆に物価が安いところに行って、日本よりも楽に豊かに暮らしたいと思っている人にはおすすめできません。
安くすませようと思えば済ませるとはいえ、日本の生活レベルに慣れた人にとっては、それはかなりキツイはずです。
そして先ほども書きましたが、ブラジルの物価は高いです!
日本では起こらないような問題ごとにぶちあたることも多く、のんびり豊かに暮らしたい人には不向きと言えます。
【ブラジルデジタルノマドライフ】実際いくら必要?
最後にブラジルデジタルノマドライフでいくら必要か見ていきましょう。
Rio de Janeiroの中心部でノマドライフをしたと仮定します。
◆アパート 3000レアル
家具・家電付/Wi-Fi付/日本で言うところの広めのワンルームマンションタイプ
◆食費 1200レアル
自炊仮定/アルコール含まず
◆交通費 300レアル
Uber利用/5Km圏内の往復5回利用を仮定
◆交際費 1200レアル
週1回ナイトクラブやレストランなどを利用するとし、1回300レアルで計算
◆日用品 600レアル
シャンプーやトイレットペーパーなど日本と同等のレベルのものを利用
◆衣類 600レアル
◆その他・雑費 300レアル
美容院など
合計7,200レアル (約216,000円)
※1レアル30円で計算
…思いのほか高いと思いませんか?
しつこく書きますが、ブラジルは決して安い国ではありません。
交際費や衣類などは人により差が大きく一概に上記料金がかかるとは言えませんが、少なくとも20万円はかかると考えておきましょう。
【まとめ】ブラジルノマドライフ
ブラジルノマドライフはメリットもデメリットもあります。
ただ1つ強調したいのが「ブラジルは決して安く暮らせる国ではない」ということです。
そのため日本より安く豊かに暮らすことを求めてブラジルノマドライフを送ると、後悔するでしょう。
一方で、シングルでナイトライフやビーチを楽しみたい!という人ならブラジルはとてもおすすめです。
楽しみ方を知っているブラジル人との生活はとても楽しいものになるでしょう。
今回ご紹介したブラジルデジタルノマドのメリット・デメリットなどを参考に、ぜひブラジルデジタルノマドを検討してみてください。
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